【Vol.1】台北在住、若手ビジュアルクリエーター成田杏子

ミレニアルな私達
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ふとした事がキッカケで知った彼女の作品は、台湾の嗜好品〔檳榔〕をモチーフにしたもので、とても興味を惹かれた。ディープだな、と。台湾のアートイベントにブースを出したこともあり、
現地の人からの支持も厚い。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。あああああ
現在、台北にある國立台灣藝術大學の院過程に在学中の彼女の作品を通して成田杏子という一人のミレニアル女子にフィーチャーしようと思う。

そもそも、なぜ台湾に?

撮影者:成田杏子

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
彼女の作風はどれもふんわり中華が香るものが多い。それはもちろん、彼女が台北在住だということと深く関係しているだろうけど、そもそもなぜ台湾でデザインを勉強するようになったのか?そんな疑問が湧いた。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
元々山形県の美大でアートを学んでいたという彼女。日本での日常、学生生活を通して日本社会に対して窮屈さを感じることがあったという。
高校時代、皆んなサラサラロングヘアだったけどBeatlesに憧れてマッシュルームカットにしたら廊下ですれ違った知らない男子に「変な髪型」と言われたんですよね。なんでみんな同じじゃないとダメなのかという小さな疑問や違和感が積み重なってどんどん息苦しくなっていって、外国に住んでみたい、と漠然と思うようになりました。
学生時代に友達と旅行しようという話になって、本当は北欧に行こうとしてたんですけど、友達が予算不足で。その時台湾を勧められて、一人で台湾を訪れました。その時に台湾が好きになって、結局合計10回位渡航してますね。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
そう話してくれた彼女は、早い話が台湾の魅力に触れてしまった。旅行の後から、独学で中国語も学び始めたという。そこからの行動が、今の彼女が台湾にいる理由だ。
台湾の自由な風土が自分には向いているなと思い台湾でインターンをしようと思ったんです。それで、メールで直接交渉しましたね。今思えば、自己紹介レベルの拙い中国語でしたがなんとか受け入れ先が見つかりました。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
その後、台北のデザイン系の会社で1週間の短期インターンを経て、より一層台湾での働き方や
ライフスタイルが心地よく感じたようで帰国せずに、台湾に残るという選択をしたという。そして、國立台灣藝術大學院過程へ進み現在に至る。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
インターン当時の環境を振り返り、「台湾で働くということ」に関して、日本との違いがよくわかったという。
例えば、音楽を聴きながら作業したり、髪色や髪型、タトゥーにも比較的寛容で自由な雰囲気があって、定時になっても上司がまだ仕事してるから部下も会社に残って仕事する、みたい変なルールもあまりなさそうでした。会社には女性が多く、お母さんもたくさんいて、家族との時間や仕事以外の時間も大事だとみんな理解しているので帰りやすい雰囲気がありましたね。
も興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
彼女のインターン先は女性向け商品を作っていたので必然的に女性社員が多かったというが、台湾には〔女強人〕という言葉が浸透しているほど、全体的に女性が逞しく、パワフルで、女性の社会進出が進んでいる国の一つである。その為出産後も社会に復帰する人が多いのが特徴だ。
そんな台湾の自由な雰囲気に惹かれて、ますは台湾に住みたいという思いと、デザインを勉強したいという思いから、台湾の大学院に進学する道を選びました。
こうして彼女の台湾でのキャリアはスタートした。

中華が香る作品たち。そのルーツは?

台湾でアートに関わることとなった彼女、その影響は次第に作品にも現れるようになる。それについて、こう話してくれた。
日本にあまりない色使いや装飾、バランス感覚が新鮮で、自分の作品にこれからも取り入れていきたいと思っています。私はまだ台湾に住み始めたばかりなので、まだまだ勉強不足なところもあると思いますし、日本人が中華風のデザインをしたら、本物と比べるとちょっと違和感というか、ズレが生じると思います。でも、そのズレが面白いズレになって、自分の持ち味になればと思っています。 も興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
時に、外国人から見る自国の文化は、切り取る角度が斬新で自国の文化でありながらも新鮮さを覚えることがある。目の付け所が違うからこその発見というのはあるし、自国民ではやはり灯台下暗しとなる場合が多いからではないかと思う。
興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
だからこそ、外から見たその国の文化と内から見る文化とではズレが生じる場合がほとんどでそれは見ようによってはとても興味深いものではないだろうか?
そんな彼女の作品を順番に見ていこう。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
台湾といえば果物、
私が好きなのは、台湾に住んでいる人なら
なんとなくわかるこの細長いスイカ。そう、長いヤツ
緑のグァバやマンゴーなど、台湾らしさ炸裂の
ジューシーな一枚。

デザイン:成田杏子

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
壁には中華圏の文化である、〔倒福〕が。
その隣には〔あけましておめでとうございます。〕
カーペットや壁紙は中華風だし、
大きな花瓶に龍のイラストはとても中華的。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
でもこの男の子は、国籍の特定できない
オシャレシティーボーイ。
そんなところが色々と想像を掻き立てられる。

デザイン:成田杏子

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
  神様とか、昔からの装飾とかを取り入れた
  デザインもあって、デザインの力で昔からある
  伝統をリブランディングするという
  意味も込められているんです。
この作品は神々しい!という印象だ。
古代のデザイン、それをアレンジすることで
また違った良さが生まれる。そんな作品。

作品の制作過程から見えてくるもの。

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
作品は、シルクスクリーンを用いて印刷されており、
どこかレトロで懐かしい印象を与えてくれる。
  やっぱり自分で一つ一つ手作りをするから
  より作品に愛着が湧くというのはありますね。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
そう語る彼女が黙々と作品の製作に取り組む姿が
まるで職人のようにオーラを纏っていて
とてもクールだと、そう感じた。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
台北にはRETRO印刷JAMというショップがあり、
そこで少量のロットからでも印刷をすることが可能。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
これからもこの場所で、彼女は彼女なりに
台湾を切り取った作品を生み出していくことだろう。
それが今からとても楽しみだし、
次のテーマは一体どんなものになるのか
待ち遠しい。

台北國際書展で販売〔檳榔〕シリーズ。

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
檳榔〕(日本語読みはビンロウ)については、
以前、中華風レゴの回でも少し触れたことがあるが、
台湾を始め、東南アジアやその他地域でポピュラーな
タバコに似た嗜好品だ。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
台湾では一般的に、タクシーや長距離トラックの
運転手、もしくはローカルなお店にいるおじちゃん達
から支持されている。興奮作用を得られるため、
効果としてはレッドブルのそれに近い。

撮影者:成田杏子

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
咀嚼すると口が真っ赤になるタイプが有名で、
それを道に吐くと、血溜まりのようになる。
台湾観光に来た時に知らない人がそれを見て
驚くというのはあるあるだ。
冒頭でも触れたが、今回彼女はそんな〔檳榔〕を
テーマに作品を創作したという。
それらの作品は、60カ国以上の作家・出版社・企業が
参加する世界最大のブックイベント台北國際書展
(台北ブックフェア2019)にて展示販売された。
今回彼女が台湾のディープなローカル文化の一つ
檳榔〕に注目して作品つくりをした、
その経緯について聞いてみた。

撮影者:成田杏子

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
  写真の授業の課題がキッカケです。
  授業では、一人一つずつテーマを決めて写真を
  撮る課題があったんです。、私はまず、
  「很台」な、とても台湾っぽいものを撮りたい
  なと思って、じゃあ很台なものはなに?と色々
  考えて、そのうちの一つが檳榔で、授業の課題
  テーマに決めました。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
  そこから、檳榔の文化を少しづつ理解し、まずは
  檳榔攤(檳榔を販売する屋台のようなお店)の
  外観を撮影することからはじめました。
  看板のデザインのかっこよさ、アングラな
  雰囲気、檳榔のキャッチーな形状に魅力を感じ、
  今も続けて檳榔関係作品を制作しています。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
こちらは初期の〔檳榔〕ZINE。
折りたたみのタイプで、展開できるタイプ。
様々な〔檳榔攤〕(檳榔を販売する屋台ブース)
を紹介していて面白い。

撮影者:成田杏子

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
檳榔〕といえば、それを包むパッケージも非常に
コケティッシュ。購買者がほとんど年配の男性という
こともあり、売り子もパッケージも妖艶な場合が多く
それは文化的にとても面白い点だと思う。
パッケージは大きく分けて2タイプ、
ジッパーのついたミニ袋
セクシー路線のミニボックス
とがある。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
今回彼女が缶バッジ用バックとして採用したのは、
ミニ袋の方。実際に〔檳榔〕販売用のミニ袋を
取り扱う問屋が家業の友人からプレゼントしてもらった
ものを活用している。

3つの缶バッジにはそれぞれ異なる種類の檳榔のイラストが施されている。

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
ミニ袋は店舗によって印字されたデザインが異なり、
そこにも注目したようだ。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
参考までに、セクシーなミニボックスというと
このようなものになる。
あs
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
そのバリエーションは様々で、近年このエロスが
アートにも昇華されるという認識がシティーボーイ&
ガールの中でできつつありそれに関するイベント等も
度々開催されている。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
トートバッグと缶バッジは本人も愛用中とのこと。
可愛い、そしてただひたすらクールであると
私はお伝えしたい。ニッチで、シュールな台湾の
ローカル文化をここまでアートとして
昇華した彼女のセンスには脱帽である。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
これをキッカケにより多くの若い世代に昔からある
文化を再度見つめ直す機会が来ればと願っているし、
必然的にそうなってくれるであろうと期待している。

成田杏子、今後の展望は?

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
すでに次の出展イベントが決定しているということで
その作業に追われていたのは昨日のこと。
彼女の作品を購入していったアート関係者からの
オファーがあったそうだ。
とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ
  今後は檳榔だけではなく、他の「很台」なものを
  テーマに、もっと幅広く作品を作りたい。檳榔は
  写真が多かったので、今後はもっとイラストにも
  力を入れていきたいです。そして日本のイベント
  にも参加して、作品を通して台湾の面白さを日本
  の方にもっと知ってもらいたいです。
そう語ってくれた彼女の表情が
なんともいえないパワーで満ちていた。
成田杏子、
彼女の目を通して切り取った台湾の作品は
これからもたくさんの人を魅了することだろう。

出展イベント情報

とても興味を惹かれた。ディープだな、と。ああああ

物產豐饒的小島派對之旅:3/02-3/03 】

期間|3/02 SAT. – 3/03 SUN.
時間|SAT. 18:00 ~ 22:00 / SUN.14:00 ~ 22:00

明日、明後日と二日間開催されるこのイベントに
今回紹介した〔檳榔〕グッズも出展されるので
気になる方は是非足を運んでみて下さい。
そのほかにも台湾のアーティストやショップが
参加するおしゃれイベントとなっております。
入場は100元、奮ってご参加あれ。

profile

1994年、青森県生まれ。台湾在住歴2年。現在、台灣國立藝術大學院課程在学中。来台後、ローカル文化にインスピレーションを受けたアートワークを数多く発表し、2019年には台北で開催された台北國際書展にて〔檳榔〕シリーズを数量限定販売。今後の活動からも目が外せない、期待のクリエーター。

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